住宅ローンを借りるための基礎知識から注意点までを網羅的にまとめました。
この記事を読むことで住宅ローンの全体像が分かります。

 

住宅ローンの種類はこの3つ

 

住宅の購入には借り入れが不可欠です。

現金一括で購入できれば話が早いのですが、数千万円する住宅を一括で買える人はほぼいないので、住宅ローンを組んで毎月返済していくのが普通ですね。

 

住宅ローンの名前の通り、住むために必要な土地・建物の購入用に利用が限定されています。

別荘やセカンドハウスを購入する場合には条件や金利が変わってきます。

また使えないこともあります。

 

住宅ローンで購入した住宅を賃貸に出すことは基本的に禁止なのでご注意ください。

ただし、「特別な事情」があれば賃貸に出しても良い場合があります。

また別の記事でご紹介したいと思います。

 

住宅ローンには大きく分けて3つの種類があります

 

1.銀行が提供する住宅ローン

2.フラット35

3.財形住宅融資

 

まず、1つ目の銀行が提供するローンです。

各社で金利面、サービス面の競争があり取扱商品も多く、様々なニーズに対応しています。

 

商品選びの際は、最低でも3社の金利・条件の比較をするのがおすすめです。

 

次に2つ目、フラット35です。

フラット35は住宅金融支援機構が提供している住宅ローンサービスです。

 

銀行が融資した住宅ローンの債権を住宅金融支援機構が買取り、このローンを裏付けとして、証券化することにより資金調達を行っています。

 

民間の金融機関と住宅金融支援機構が共同で長期間固定金利の住宅ローンを提供しています。

 

特徴としては

 

・全期間固定金利

・保証人不要

・団体信用生命保険の加入は任意、団信保険料は少し高め

・繰り上げ返済手数料が無料

・諸費用の融資は出ない

 

住宅金融支援機構は独立行政法人で、その目的は住宅金融市場における安定的な資金提供を支援することを経営理念として掲げています。

 

そのため、他の金融機関より融資が通りやすいです。

自営業やフリーランスの方で、銀行の住宅ローン審査は落ちたけど、

フラット35は通ったという事例もあります。

 

最後に3つ目、財形住宅融資について。

 

勤務先に財形貯蓄制度があるサラリーマンが使える融資制度です。

残念ながら、制度がない会社に勤務している方、自営業・フリーランスの方は利用が出来ません。

 

選択肢は多いですが、そもそも利用できる商品なのか、

あなたのライフスタイルに合っているのか、

長期間の返済になるので無理のない商品を選択してくださいね。

 

変動金利と固定金利どっちがいいの?

住宅ローンの金利タイプは3つあります。

 

1.固定期間選択

2.全期間固定金利

3.変動金利

 

1.固定期間選択

よく、5年固定、10年固定など聞くと思います。

 

もともと変動金利だけど、選択した期間、例えば5年間は金利をそのままにするタイプです。

5年が経過したあとは何もしなければ自動で変動金利になります。

手続きをすれば、再度固定期間を選ぶこともできます。

 

ただし、返済年数の残りよりも長い固定期間は選べません。

残りの返済年数が8年なのに、10年固定は選べません。

 

2.全期間固定

文字通り、全期間、35年ローンなら35年間金利を固定します。

金利を一定にするなら、比較的審査が通りやすく、繰上返済手数料もかからない

フラット35をまず検討するのがおすすめです。

 

3.変動金利

半年間に1回金利が見直される方式です。

金利は政策金利や長期国債を指標に決められます。

ここ数年超低金利が続いているので、変動金利で1%を切る商品もよくみますね。

 

急に金利が上がったら返済額はどうなるの?

と思いますが、

・5年ルール

・125%ルール

 

という仕組みがあります。

まず、変動金利でも5年間は返済額を変更しないというルールです。

 

金利が上がった場合、返済額は変わりませんが、その代わり元金返済部分を減らして利息返済部分を多くすることでバランスをとります。

 

5年ごとの見直しで金利が急上昇した場合でも、それまでの返済額の125%までにしなければならないというのが125%ルールです。

 

例えば、もともと10万円の返済をしていたら、12万5千円までしか返済額は上がりません。

 

金利が上昇しても返済額がそこまで上がらないので、

利息額が返済額を上回る可能性もあります。

元金と利息が最終返済日までに持ち越されたら一括返済をする必要があります。

 

どの金利タイプがお得なのか?

3つある金利タイプ、どれを選択したらいいのかは人によって答えが変わってきます。

具体例を出しながら解説しますね。

 

フラット35と三菱UFJ銀行の現在の金利はこちらです。

 

フラット35:1.24%

10年固定:0.55%(三菱UFJ銀行)

変動金利:0.525%(三菱UFJ銀行)

 

3,500万円を35年ローンで借りたとして、月々の支払額はこうなります。

フラット35:1.24%→102,762円

10年固定:0.55%(三菱UFJ銀行)→91,630円

変動金利:0.525%(三菱UFJ銀行)→91,242円

 

フラット35と10年固定を比べると、10年固定の方が11,132円少なくなります。

1年で133,584円、10年間で1,335,840円となります。

 

・10年は景気が良くなってるかもしれない

景気が良くなると金利は上がってきます。

10年間は低金利でしたが、10年後金利を見直した結果、返済額が大きくなることもあります。

金利が高くなっても払えるような家計なら問題はありません。

例えば、金利が3%になった場合、月々の支払額は約11万9千円になります。

(10年の返済で元金が2,500万円になっています)

 

また、景気が良くなっているなら、住宅価格も上がっているはずなので、

10年後に買換えをするのもいいと思います。

 

・10年後には子どもが独立している

1つの家に永住しない選択もあります。

子どもが独立したら、いまの家を売却して、夫婦二人で住みやすい家を買うのも良いですね。

この場合なら、10年間固定にした分で浮いた返済額(先ほどの例だと1,335,840円)をためておけば手元資金に余裕が出てきます。

 

・引っ越す予定はない

永住するつもりなら、返済プランが立てやすいフラット35にするのがおすすめです。

長い期間、景気がどうなるかは誰にも分かりません。

特に現在の金利は歴史的に見て超低金利と言えます。

変動金利にするということは、金利の変動リスクを全部自分で背負うことになりますので、

全期間変動とするのはおすすめできません。

 

あなたの将来のライフプランを考慮して、

全期間固定なのか固定期間選択なのかを選んでくださいね。

 

元利均等返済と元金均等返済について

住宅ローンの返済方法には2つあります。

 

1.元利均等返済

 

2.元金均等返済

 

それぞれについて説明しますね。

 

1.元利均等返済

元金と利息を合わせた返済額が毎月一定になる返済方法です。

 

例えば、3500万円を35年間、金利1.5%で借りた場合、

元利均等返済だと月々107,164円が返済額となります。

 

※ボーナス返済は0で計算しています。

 

元利均等返済のメリットは

毎月の返済額が一定なので返済計画が立てやすいことです。

 

デメリットとして、最初のうちは利息部分が大きくなるので、

元金の減りが遅いことです。

 

イメージ図はこのようになります。

一方、

2.元金均等返済

元金部分を一定にして、残っている元金に利息をのせて返済していく返済方法です。

 

「元利」均等返済の時と同じように、

3500万円を35年間、金利1.5%で借りた場合、

初回の返済額は127,083円となります。

※ボーナス返済は0で計算しています。

 

メリットは、元金が毎月一定額減っていくので、毎月の返済額も減っていきます。

デメリットは最初は元金も多く残っているので利息も多くなり、月々の支払い額が大きくなります。

 

イメージ図はこのようになります。

元利均等返済と元金均等返済どちらがお得なのか?

単純な比較は難しく、人によって変わるというのが答えですが、

いくつかの切り口で考察してみましょう。

 

①繰り上げ返済なしで35年間

条件は先ほどと同じように

 

・借入額3000万円

・金利固定1.5%

・35年ローン

・ボーナス返済なし

 

まずは総返済額で比べてみます

 

元利均等返済:45,009,113円

元金均等返済:44,209,375円

 

元金均等返済の方が、799,738円利息が少なくなります。

 

次に月々の返済額でみてみましょう

元利均等返済の月々の返済額は107,164円

 

元金均等返済の初回の返済額は127,083円

 

元金均等返済の方が19,919円支払いが多くなります。

 

元金均等返済の場合、元金の減り方が一定なので返済額はだんだんと小さくなります。

2ヵ月目の返済は126,979円となります。

初回の127,083円から104円下がりました。

 

これをコツコツ続けていくと、15年後には月108,333円まで下がります。

 

35年間、繰り上げ返済をしないなら、

 

月々の返済額は一定にしてきっちり予定を立てたい

元利均等返済

 

・最初のうちは高くても払える自信がある

・教育費にお金がかかるときに子どもにお金をかけたい

・将来の負担を軽くしたい

元金均等返済

 

とするのが良いと思います。

あなたにあったほうを選んでくださいね。

 

繰り上げ返済をする場合、話が変わってきます。

 

25年や35年などの長期ローンを組んだとしても、

住宅ローンを完済するまでの平均は約15年となります。

 

多くの人が繰り上げ返済をしていることが統計から分かります。

 

15年後に残金を一括返済することを考えてみます。

 

15年後の残金、支払利息合計、支払元金合計はこのようになります。

 

元利均等返済 元金均等返済
残金 22,193,506 16,250,000
支払利息合計 6,483,125 7,239,062
支払元金合計 12,806,494 18,833,333
支払合計 19,289,619 26,072,395

 

15年後に一括返済をする場合、

元利均等返済の方が5,943,506円多く支払う必要があります。

しかし、支払合計をみてください。

元金均等返済の方が6,782,776円多く支払っています。

 

15年後に残金を一括返済した場合、元利均等返済を選択、

毎月の支払金額を一定にして貯金をしていくほうが839,270円お得ということになりました。

 

月々の返済をしながら、15年で22,193,506円を貯めることになるので、

年間で1,479,567円の貯蓄が必要となります。

計算例:夏・冬のボーナスで800,000円、毎月約57,000円

 

低金利なので、

 

・できるだけ長い期間

・できるだけ低金利

・できるだけ多く

 

借りるのが有利となりますが、完済までの平均年数から考えると、

住宅ローンをなるべく早く返して安心したいということなんでしょうね。

 

繰り上げ返済するのも良いですし、

繰り上げ返済する分を資産運用に充てるのも良いです。

 

個人的にはせっかく超低金利で35年ローンを組めるので、

繰り上げ返済の分は投資に回すのが良いと思っています。

 

いくらまで借りられるのか

住宅ローンがいくらまで考えるときに、ローン計算アプリ等を使って計算例で出てくるのは、あなたの年収で借りられるマックスの数字です。

「借りられる額」と「返せる額」というのは違うので気を付けてくださいね。

 

フラット35が発表している審査基準は以下のようになります。

 

年収400万円未満:返済比率30%

年収400万円以上:返済比率35%

 

年収420万円(日本の平均年収)の場合、年間に返済できるとされている金額が

147万円となります。(420万円の35%)

月々12.25万円です。

この返済額から借り入れ可能額を計算すると、

39,192,063円となります。

※35年ローン、金利1.5%固定

 

年収420万円だと39,192,063円、けっこう借りられるんだなと思いませんか?

 

気を付けてほしいのが、これが「借りられる額」だということで、

必ずしも「返せる額」ではないということです。

 

年収420万円となると、手取りは約330万円、月275,000円です。

(地域や家族構成によって変わってきます)

 

275,000円から、122,500円の返済をします。

 

残りは152,500円

 

普通に生活しててかかるお金はこれぐらいです。

 

マンションだと管理費・修繕積立金が必要です→20,000円

(戸建だとしても修繕積立金は必要です)

食費→50,000円

水道光熱費→16,000円

通信費→15,000円

家事用品→8,000円

被服費→10,000円

娯楽費→30,000円

交際費→20,000円

 

合計で169,000円となり、赤字になってしまいます。

格安SIMにしたり、娯楽費・交際費を減らせばなんとかなりますが、

貯蓄が出来ないのがいざというとき不安ですね。

 

計算すると分かりますが、借りられる金額のマックスを借りてしまうと、せっかくマイホームを手に入れたのに生活がつらくなってしまいます。

 

なので、借りるなら「返せる額」が良いでしょう。

返済比率は年収の25%ぐらいまでにするのが良いでしょう。

 

計算がメンドウなのであれば、

 

今の家賃=返済額+修繕・管理費

ぐらいの支払額になっていれば安全と言えるでしょう。

ただし、今の家賃で貯蓄が出来ていることが前提です。

 

年収420万円で、返済比率25%とすると、年間105万円、月8.75万円。

ここから借入額を計算すると29,394,047円となります。

※35年ローン、金利は1.5%固定

 

この金額で希望するレベルのマンションが買えない場合、

無理をして買わない方が安全です。

 

足りない分は

・貯める

・親からの援助

 

等で対応するのがおすすめです。

 

お家を買うことをゴールにせずに、

買った後の幸せをゴールにして計算してくださいね。

 

銀行選びはどうしたらいいのか

住宅ローンを申込む銀行選びは金利だけに注目しがちですが、

銀行によって得意な金利タイプが違ったり、繰上返済しにくい銀行もあるので、

あなたの返済プランにあった銀行を選ぶ必要があります。

なんとなくここでいいやと決めると100万円単位で損をすることもあります。

 

銀行選びの基準は5つあります。

 

1.得意な金利タイプ

2.団体信用生命保険

3.諸費用

4.融資の通りやすさ

5.利便性

 

得意な金利タイプ

金利の比較サイトでトップにくるのは、だいたいネット銀行の変動金利です。

2020年3月で価格ドットコムでみた変動金利でトップにいるのが、

auじぶん銀行の変動金利0.410%です。

『変動金利と固定金利どっちがいいの?』でも説明しましたが、

変動のリスクを負う全期間変動はおすすめしていません。

10年固定かフラット35を個人的におすすめしています。

 

では、変動金利が安いからといって、10年固定も安いのかというとどうでしょうか?

au自分銀行の10年固定は1.450%となっています。

 

一方、同じくランキングトップの住信SBIネット銀行は、全期間変動金利は0.415%で、

10年固定金利は1.010%で、auじぶん銀行よりも0.44低くなります。

 

たったの0.44%と思うかもしれませんが、

3500万円を元利均等返済で35年借りたと想定すると、

10年間で50万円もの差が出てきます。

 

団体信用生命保険

もしも返済期間中に亡くなったり、大きな病気になったときには保証会社が残債を負担してくれる保険です。

 

民間銀行では団体信用生命保険への加入は義務となっていて、保険料は銀行負担となっています。

 

フラット35の場合、加入は任意となっています。

自分で保険に入るか、金利を上乗せして団体信用生命保険に加入するかが選べます。

 

団体信用生命保険も銀行によってプランが変わってきますので注意が必要です。

・三大疾病保証(がん(悪性新生物)・急性心筋梗塞・脳卒中)

 

・七大疾病保証(悪性新生物(がん)、急性心筋梗塞、脳卒中、重度の糖尿病、 重度の高血圧性疾患(高血圧性網膜症)、慢性腎不全、肝硬変)

 

・八大疾病保証(三大疾病[ガン(上皮内ガンを除く)・急性心筋梗塞・脳卒中]および5つの重度慢性疾患[高血圧症・糖尿病・慢性腎不全・肝硬変・慢性膵(すい)炎)

 

・全疾病保証(八疾病として定められた疾病と、八疾病以外の病気やケガ)

 

いくら金利が安くても保証が薄いと心配ですよね。

保証内容についてもきちんと比較が必要です。

 

諸費用

 

住宅ローンを借りるときにかかる諸費用で比較するポイントはこちらです。

 

・保証料

もしも住宅ローンが返せなくなってしまった時は、保証会社が銀行に返済をします。

そのための保証料を支払う必要があります。

保証料が0円の会社もあれば、保証会社手数料を数万円だけ払ったり、融資金額の数%を保証料で支払うなど様々なパターンがあります。

インターネット経由は保証料が0円の会社が多いようです。

 

・事務手数料

住宅ローンの契約時に銀行へ支払う手数料です。

一般的な銀行では3~10万円が相場です。

インターネット経由だと元金の2.2%が相場です。

 

融資の通りやすさ

銀行によって審査の基準はまちまちです。

 

審査の通りやすさは厳しい順に

 

ネット銀行

都市銀行

地方銀行・信金

フラット35

 

銀行ごとの審査基準があり一律には言えませんが、

これぐらいのイメージだと思ってください。

 

ネット銀行が一番厳しいのは、書類審査だけで

事前相談で面談していれば通ったかもしれない人も審査にはじかれることがあります。

フラット35が一番通りやすいのは間違いないですね。

 

利便性・融通

なにか分からないことがあったり、困ったことがあったときにすぐに相談できる利便性は大事です。

ネット銀行だと店舗があるわけではないので、すぐに直接問い合わせというのは難しいですね。

都市銀行や地元の信金だったら電話ですぐに相談ができます。

 

銀行の住宅ローン商品によって、繰上返済に手数料が必要だったり、

固定金利・変動金利変更に手数料や審査が必要なこともありますので、

ここも申込前に確認が必要となります。

 

以上の5つのポイントを比べてあなたにあった銀行を選んでくださいね。

1つの銀行に決めたら完済までその銀行とする必要はありません。

最初の10年はA銀行がよかったけど、計算しなおしたら次の10年はB銀行の方と契約したほうが得だったら乗り換えることも出来ます。

銀行選びは慎重さも大事ですが、こうやって気楽に考えると気持ちが楽になりますよ。

 

保証料は内枠?外枠? 事務手数料との比較

住宅ローンには保証人は不要です。

保証人の代わりになってもらう保証会社に保証料を支払います。

 

なにを保証するのかというと、

もしも住宅ローンを借りている人が返済が出来なくなったときの債務を保証します。

 

返せなくなったら、保証人である保証会社が銀行にお金を支払ってくれます。

銀行に代わって、保証会社が借りている人へ借金の請求をすることになります。

 

抵当権をつけているので、最終的には競売にかけて落札代金から借金を回収します。

 

※競売とは裁判所を通じて住宅をオークション形式で売却する方法です

 

保証料の支払方法は2つあります。

 

1.外枠方式

保証料を住宅ローンの借入時に一括で支払う方法を「外枠方式」

 

2.内枠方式

毎月の返済に上乗せして支払う「内枠式」

こちらは、金利に0.2%を上乗せして支払うのが多いです。

 

外枠と内枠どちらがお得なの?保証料0円との差は?

 

具体的に計算してみましょう。

借り入れ金額は3,500万円、35年ローン、金利は固定で1.24%とします。

 

外枠方式の具体例として、みずほ銀行のプランを利用します。

 

外枠方式:721,385‬円

※保証料は個人の属性によって金額が変わってきます。これは一番安い保証料で計算しています。

 

内枠方式:

1.24%に0.2%を足した、1.44%で35年間の支払から1.24%で35年間の支払額を引きます。

1.44%:44,578,319円

1.24%:43,160,454円

 

差額は1,417,865円となります。

 

外枠方式の721,385‬円と比べるとかなり高額ですね。

これなら外枠の方がお得!

と簡単に言えればいいんですが、そう単純ではありません。

 

繰上返済を予定している

 

繰上返済を予定している場合、

例えば15年で完済すると、15年間で支払う保証料は約607,657円となります。

外枠方式の721,385‬円と比べるとお得にみえますが、繰上返済した場合、当初の予定よりも保証期間が減るので、保証金の返戻(へんれい)があります。

 

先ほど例に出したみずほ銀行は保証会社の返戻率は公表していませんので、

公表している銀行の数字を参考に計算すると、

返戻金は約30万円となります。

 

外枠方式で支払った実質的な金額は約42万円となり、内枠よりも低くなりますね。

 

計算した結果、外枠方式の返戻金を考えると、10年以内のハイペースな返済なら内枠方式の方がお得になります。

※下記を参考にしてください。

※内枠方式での支払保証額の推移の表を作る

 

途中で借り換えをする予定がある

銀行の住宅ローンの競争は激しいので、途中でいまよりも魅力的なローンが出るかもしれません。

途中で住宅ローンの借り換えを行った場合、返戻として保証金は戻りますが、

手数料がけっこう取られるので、外枠で一括に支払うことはおすすめできません。

 

保証料が0円の住宅ローンがある

ネット銀行に多いのが、保証料は0円という住宅ローンです。

ぱっとみ魅力的にうつるんですが、よくみると、事務手数料で貸出金額の2.2%を取ると書いてあるので注意が必要です。

借入額3,500万円だと、77万円です。これに保証会社の事務手数料として3万円ほどかかるので、合計80万円がかかります。

 

事務手数料なので、払ったら戻ってきません。

外枠で払うより高額になる場合もあるので注意が必要です。

 

まとめるとこうなります。

 

内枠がお得

・繰上返済(しかもかなりのハイペース)を考えている

・途中で借り換えをする予定

 

外枠がお得

・繰上返済は平均的かそれよりゆっくり、またはする予定がない

 

あなたの返済プランに合わせて選択してくださいね。

 

自営業・ フリーランス、会社経営者でも借りられる?

就職することなく起業して稼ぐ、自営業やフリーランスは最近増加傾向にあるそうです。

また、長く続く低金利もあるのでひと昔前よりも住宅ローンを借りやすくなりました。

 

とは言っても、会社員で給与所得がある人達よりも不利なのは事実です。

 

自分が稼ぎ頭なので、病気になったり、取引先が減るなど、なにかあったときは収入が減ってしまいます。

そのため、現実にはそうではないとしても収入のアップダウンが激しいと思われてしまうんですね。

 

住宅ローンの審査には直近3年分の確定申告、納税証明が必要になります。

 

毎年増益なら問題はないのですが、アップダウンがある場合、

3年分の平均や一番低い時のもので審査されたりするので、

自営業・フリーランスで住宅購入を考えているなら3年分の計画が必要となります。

 

また、節税したくてあれこれ工夫をしている場合、

所得が低くなることになるので注意が必要です。

 

会社経営者の場合、

本人の収入証明(源泉徴収票か確定申告書)に加えて会社の3期分の決算書が必要となります。

 

本人の収入も大事ですが、経営している会社の業績も関係してきます。

 

毎年黒字なら文句ありませんが、3期の中で1期だけ赤字になっているならその分だけ審査的にマイナスとなります。

 

住宅ローンを借りるまでの流れ

住宅ローン申込から融資実行までの大まかな流れは以下の通りです。

 

1.事前審査申込

↓(事前審査通過)

↓(不動産売買契約締結)

2.本審査申込

↓(本審査通過)

金銭消費貸借契約

融資実行、抵当権設定

 

必要書類

【事前審査】

・事前審査申込書

・個人情報利用同意書

・運転免許証またはパスポートなどの本人確認書類

・所得証明書(源泉徴収票、確定申告書等)

・物件資料(登記事項証明書、公図、案内図、道路台帳等)

 

【本審査】

・借入申込書

・団体信用生命保険申込書、告知所

・個人情報利用同意書

・運転免許証またはパスポートなどの本人確認書類

・住民票の写し

・印鑑証明書

・健康保険証

・所得証明書(源泉徴収票、確定申告書等)

・売買契約書の写し

・重要事項説明書の写し

・物件資料(登記事項証明書、公図、地積測量図、案内図、道路台帳等)

 

※1つの例です。金融機関によって必要な書類が異なる場合があります。

 

審査が事前審査と本審査で2回あります。

事前審査に通ったからといって必ず本審査に通るとは限らないので注意が必要です。

ただ、経験的に事前審査が通れば本審査も通るのが普通です。

 

就活で例えるなら事前審査が書類選考で、本審査が最終面接となりますね。

 

銀行の審査でみられるのは大きく2つです。

 

・この人にお金を貸しても大丈夫か(人的な審査)

→人柄、年収などが審査されます

 

・物件の担保力はあるのか(物件の審査)

→もし住宅ローンを払われなくても物件を差押えれば債権の回収ができるのかが審査されます

 

事前審査、本審査ともに個人情報利用同意書が必要なのは、

「信用情報登録機関」であなたの情報を調べるためです。

 

信用情報登録機関では以下のような情報が載っています。

・氏名、生年月日、性別、住所、勤務先など

・クレジットカード、キャッシングの与信残高

・借入残高

・支払履歴

これらを総合的にみてあなたにお金を貸してもいいかどうか銀行が判断します。

 

ポイントやマイルが貯まるからと、年々クレジットカードが増えていませんか?

使っていなくてもキャッシングの枠が増えていれば、簡単に引き出しができるので

潜在的に使っているとみなされることもあります。

 

クレジットカードをたくさん持っている方で住宅ローンを申し込むなら、

マイナスになることもあるので解約しておくのも良いでしょう。

 

信用情報登録機関ではスマホの分割払いの失敗も載っていることもありますので、

小さなことでも油断はできません。

 

審査金利について

住宅ローンのパンフレットに載っている金利は、店頭金利といいます。

変動0.415%などと書いてありますね。

 

価格.comだとこのように表示されています。

これほど低い金利で計算すると、借入額が大きくなってしまいます。

そうすると、もし金利が上がったときに返済額も大きくなり返せなくなる心配が出てきます。

 

例えば、0.415%の変動金利で毎月11万円の返済額だと、借入可能額は約4,299万円となります。

 

もし金利が上がったとすると月々の返済額はこうなります。

 

1% 122,000円

1.5% 132,000円

2% 143,000円

2.5% 154,000円

3% 166,000円

 

これから金利が上がっていくのは想像しにくいですが、可能性は0ではありません。

 

銀行は金利が上がったとしても、この人は支払が続けられるだろうか?

こう考えて、住宅ローンの審査には店頭金利ではなく「審査金利」を使います。

 

店頭金利よりも審査金利は高いです。

審査金利は非公表でなんともいえません。

3~4%だったり、短期プライムレートに1~2%を足した数字など色々言われています。

 

間を取って、審査金利を2.5%として計算してみましょう。

 

金利2.5%で、毎月11万円の返済額だと借入可能額は約3,076万円となります。

先ほどの金利0.415%の時の4,299万円から1,223万円も下がりました。

 

3,076万円を変動金利の0.415%で借りると毎月の返済額は7.9万円となります。

金利2.5%の時と3.1万円の余裕があります。

金利が増加しても3.1万円の増加なら支払いが継続できると判断しているんですね。

 

もちろん、これは銀行が適当に決めている訳ではありません。

物件所在地、家族構成から一般的な生活費・教育費などを統計を用いて計算して、

これぐらいの金額までなら支払い可能だろうと判断しています。

 

銀行も長期間、安定的な収益が見込める住宅ローンは大事な収入源なので、

審査をきっちり行います。

 

借入可能額を計算するときには、店頭金利だけでなく、審査金利も考慮してくださいね。

 

どんな物件ならローンが通る?

どんな建物でも収入がしっかりしていれば住宅ローンが通るわけではないので注意が必要です。

収入、人柄も重要な審査対象ですが、さらに物件も審査の対象になります。

 

銀行がお金を貸すときに考えるのは、もしものときに貸金を回収できるのかどうかです。

 

物件に抵当権がついているので、競売で売却することで貸金を回収します。

この時に物件にしっかりした価値がないと銀行はお金をかしてくれません。

 

しっかりした価値とは、流動性があることです。

物件が適正な価格でスムーズに売れることがしっかりした価値ある物件といえます。

しかし、売れる物件であってもローンが通らないこともあるのが難しいところです。

 

物件を選ぶときに注意をしなければいけないポイントをまとめました。

 

・建築基準法に違反している

建ぺい率・容積率オーバー、接道要件を満たしていない物件は基本的に融資がでません。

すでに建物が建っているからといって、建築基準法に違反していないとは限らないので、調査が必要となります。

 

・土地の形、高低差

土地の形は四角が一番使いやすいです。三角形や台形の土地は銀行が評価するときにマイナスにされてしまい、貸し出しできる金額も減ってしまいます。

 

また、土地の一部に傾斜がある場合も評価がマイナスとなります。

土地の面積は広くても、実際には3分の1が傾斜地だとその分土地の評価を低く見積もることになります。

 

・旧耐震物件

1981年6月より以前に建築確認許可を得て建てた建物のことをいいます。

これより以前に建てられた建物は耐震性が現在の基準よりも劣るので、建物の評価を低く観られてしまいます。

耐震診断で現在の基準と同等の耐震性があると判断されたとか、耐震工事をした物件なら住宅ローンが通ることもあります。

 

・面積

銀行によって若干基準が変わるようですが、

マンションなら30㎡未満、戸建なら土地の面積が50㎡未満だと住宅ローンが組めません。

投資用と判断されてしまうからです。

 

※建ぺい率・容積率 

土地の面積によって建築できる建物の面積が決まっています。これをオーバーすると建築基準法違反となります。

※接道要件

幅4m以上の行動に2m以上土地が接していなければならないことです

おすすめの記事